団長からのあいさつ

 建設作業でアスベストに罹患された皆さん

 アスベスト被害で毎日大変な生活を送られていることと思います。

 私が担当している方は、アスベスト建材を用いた内装工事で肺がんを発症し、片肺を摘出し、現在は、階段をのぼるだけで酸欠状態になり、新型コロナになったら自分のいのちはなくなるだろうと悩みながら生活しています。

 高度経済成長の中、アスベストを含んだ建材が大量に使用され、時の経過を経て、現在、深刻な多くの健康被害が顕在化してきています。
 アスベストの危険性よりも経済効率を優先し、安全対策を軽視した国の責任は重大であり、アスベストによって大きな利益をあげてきた建材メーカーの責任も軽視できません。

 この10数年間、全国各地の先行訴訟でアスベスト被害救済の闘いが取り組まれ、この流れの中で、東北地方でも、建設アスベスト訴訟弁護団を結成することにしました。
 私たちの弁護団は、これまで東北地方で取り組んできたアスベスト問題(労災申請、泉南型(工場型)国家賠償訴訟、企業賠償等)やじん肺問題(常磐炭坑じん肺、宮城細倉鉱山じん肺、トンネルじん肺等)の成果を基に、全国の建設アスベスト弁護団とも緊密な連携をとりながら、建設労働者のアスベスト被害救済に取り組みます。

 私たちは、訴訟で以下の点を追求します。

  1. 国の責任だけでなく、アスベスト被害で大きな利益を得た建材メーカーの責任も追及することによって、最大限の被害救済をめざします。
  2. 個々の被害者の救済はもちろんですが、これに止まらず、アスベスト被害救済のための諸制度、特に、訴訟によらない救済制度の創設を国に求めます。

「あやまれ、つぐなえ、なくせ、アスベスト被害」を達成するため、全力で取り組みますので、弁護団へのご賛同・ご支援を何卒よろしくお願いします。

建設アスベスト訴訟東北弁護団
  団長 小野寺 義象